株式会社Devote代表の高橋です。
2026年10月に公表されたPHPの重大な脆弱性をきっかけに、「PHPを上げたいけれど、サイトが壊れないか心配」というご相談が増えています。確認の手順はこちらのお知らせにまとめました。
この記事では、弊社がこれまで実際に対応してきたサイトの事例をもとに、PHPの更新やサーバー移転、ブログの引越しで「どこでつまずくのか」「どう直したのか」をご紹介します。
※お客さまが特定されないよう、内容の一部をぼかしています。
この記事でわかること
- PHPを大きく上げたときに起きること
- エラーの原因が別のところにあったときの進め方
- サーバー移転とブログの引越しの流れ
- エラーが出たときに、最初に確かめること
ご紹介する4つの事例は、次のとおりです。
| 事例 | ご相談の内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 事例1 | PHPを5.4から8.3へ上げたら、表示が崩れた | 上げる幅が大きいほど、直す箇所が増える |
| 事例2 | PHPを上げたあと、エラーが出るようになった | エラーの原因は、調べてみないと分からないことがある |
| 事例3 | サイトはそのままに、サーバーだけを移したい | 切り替えの前に、新しいサーバーで表示を確かめる |
| 事例4 | 別のブログの記事を、自社のサイトにまとめたい | 記事の数やサービスによって、進め方と手間が変わる |
事例1:PHPを5.4から8.3へ上げたら、表示が崩れた
PHPを上げる幅が大きいほど、直さなければいけない箇所は増えていきます。
起きたこと
WordPressで作られたサイトで、サーバーのPHPを5.4から8.3へ一気に上げたところ、ページの表示が崩れてしまったというご相談でした。
PHP 5.4は10年以上前のバージョンです。そのころに作られたテーマやプラグインには、新しいPHPでは動かない書き方が多く残っています。
どう対応したか
表示崩れの原因はひとつではないことが多いため、どこで止まっているのかを検証するところから始めました。進め方は次のとおりです。
- WordPressの管理画面だけでなく、サーバー側の情報もお預かりする
- テーマやプラグインのどこが新しいPHPに合っていないのかを、ひとつずつ確かめる
PHP 5.4のころの書き方には、PHP 7や8では使えなくなったものが多くあります。どんな書き方が使えなくなったのかは、PHPのバージョンを上げると、なぜサイトが壊れるのかで説明しています。
ここがポイント
長いあいだPHPを上げていないサイトほど、一度に直す量が大きくなります。「まだ動いているから」と先送りにせず、サポートが続いているバージョンに合わせてこまめに上げておくことが、結果的にいちばん負担が少なくなります。
事例2:PHPを上げたあとのエラーを、WordPress本体の入れ替えで直した
エラーの原因はひとつとは限らず、調べてみると別のところにあることもあります。
起きたこと
PHPのバージョンを上げたあと、サイトにエラーが表示されるようになったというご相談です。最初に調べたときは、カレンダー機能のプラグインが今のPHPに合っていないことが原因に見えました。
どう対応したか
まずはお客さまのサイトをいったん元の表示に戻し、そのうえで原因を詳しく調べ直しました。すると本当の原因は、WordPress本体がPHPのバージョンに合っていなかったこと(もしくは、過去のWordPressの更新がうまくいかず、ファイルが壊れていた可能性)だとわかりました。
そこで、次の順番で対応しています。
- サイト全体のバックアップを取る
- 今のPHPで動くWordPress本体のファイルに入れ替える
- WordPressを新しいバージョンに更新する
- エラーの原因になっていたプラグインを停止する
- 表示や機能が変わっていないか、お客さまにも確認していただく
ここがポイント
- エラーの原因は、調べてみないと分からないことがある
- プラグインを止めると、そのプラグインが担っていた表示や機能もなくなる。作業のあとに「何が変わったか」を、お客さまと一緒に確かめることが欠かせない
- このサイトでは、更新されないまま残っているプラグインがほかにも多く、同じようなエラーがまた起きる可能性があったため、あわせて更新をご提案した
事例3:サイトはそのままに、サーバーだけを引っ越した
ドメインは今の契約のまま、サイトのファイルとデータベースを新しいサーバーへ移した事例です。
起きたこと
「サイトの内容は今のままでいいので、サーバーだけを新しいところへ移したい」というご相談も多くいただきます。
これまでにも、お名前.com レンタルサーバーやエックスサーバーから、さくらのレンタルサーバへの移転などを担当してきました。HTMLで作られたサイトにも、WordPressのサイトにも対応しています。
どう対応したか
作業の流れは次のとおりです。
- 移す前に、サイトのファイルとデータベースをバックアップする
- 新しいサーバーにサイトを組み立てる
- ドメインを切り替える前に、新しいサーバーで仮のURLを使って表示を確かめる
- ネームサーバー(ドメインの向き先)を新しいサーバーに切り替える
- 切り替えたあとに、もう一度表示と動作を確かめる
ここがポイント
ドメインを切り替える前に新しいサーバーで表示を確かめておけるので、切り替えの当日に慌てることがなく、サイトが見られない時間もほとんどありません。サーバーを移すタイミングで、新しいサーバーでPHPのバージョンを上げておくこともできます。
メールを止めないための注意点などは、サーバー移転の流れと注意点にまとめています。
事例4:別のところに書いてきたブログ記事を、新しいサイトへ移した
記事の数や画像の量、今使っているブログサービスによって、作業の進め方と手間が大きく変わります。
起きたこと
「これまで別のブログに書いてきた記事を、自社のサイトにまとめたい」「リニューアルしても、今までの記事は残したい」というご相談です。サイトのリニューアルにあわせて、100件ほどの事例記事を新しいサイトへ移したこともあります。
どう対応したか
今のブログに、記事を書き出す機能があるかどうかで移し方を変えています。
| 今のブログ | 移し方 |
|---|---|
| 記事を書き出す機能がある | まとめて新しいサイトへ取り込む |
| 書き出しができない | 記事を1件ずつ移していく |
移したあとは、画像が表示されているか、カテゴリーが合っているか、リンクが切れていないかを確かめます。
ここがポイント
記事の数や画像の量によって手間が変わるため、お見積りの前に、どこのサービスで何件くらい書いているかを伺うようにしています。
エラーが出たとき、最初にお聞きしていること
「急にサイトがおかしくなった」というご相談では、原因を早く絞り込むために、まず次の3つをお聞きしています。ご自身で調べるときにも役立ちますので、思い当たることがないか振り返ってみてください。
- いつからエラーが出ているか
- その前に何か作業をしていなかったか
- サーバー会社から、PHPのバージョンについてのお知らせが届いていなかったか
2の「その前の作業」には、たとえば次のようなものがあります。
- プラグインの追加・編集
- テーマの変更
- セキュリティ系プラグインの設定
- ドメインやSSLの設定
- IPアドレスの設定
- .htaccessの編集
制作のときも、公開したあとも、サイトの状態を見ています
PHPの更新やサーバーの移転は、一度やれば終わりではありません。弊社では、制作のときと公開したあとの両方で、サイトの状態を確認するようにしています。
制作のときは、PHPのバージョンを確かめる
サイトを新しく公開するときやリニューアルするときにも、サーバーのPHPのバージョンを必ず確認しています。上げる必要がある場合は、お客さまに理由をご説明し、了承をいただいてから上げるようにしています。
公開したあとで「気づいたら古いバージョンのままだった」ということにならないよう、最初の段階で整えておくためです。
公開したあとは、月額の保守で見守る
弊社の月額保守では、基本的に次のことを行っています。
- 自動バックアップの設定
- WordPress本体・プラグインの更新
- セキュリティ対策
- サーバーの稼働確認
バックアップが自動で残っていれば、万が一トラブルが起きても、すぐに元の状態に戻せます。
まとめ
ご紹介した事例のように、PHPの更新やサーバーの移転は、サイトの状態によって必要な作業が大きく変わります。要点を振り返ります。
- PHPを上げる幅が大きいほど、直す量が増える
- エラーの原因は、調べてみないと分からないことがある。作業のあとは、何が変わったかを確かめる
- サーバー移転は、切り替えの前に仮のURLで表示を確かめてから進める
- ブログの引越しは、記事の数や今のサービスによって手間が変わる
- 長く更新していないサイトほど、思わぬところで止まってしまうことがある
弊社では、他社で作られたサイトも含めて、PHPのバージョンアップ、サーバー移転、ブログの引越し、細かな修正から月額の保守まで対応しています。
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