株式会社Devote代表の高橋です。
ホームページの保守は、外から見えにくい仕事です。毎月何をしているのか、本当に必要なのか、分かりにくいと感じる方もいると思います。
弊社の月額の保守では、基本的に自動バックアップの設定、WordPress本体・プラグインの更新、セキュリティ対策、サーバーの稼働確認を行っています。この記事では、それぞれの中身と、必要な理由を説明します。
この記事でわかること
- 公開したあとも手入れが要る理由
- 保守で行う4つの作業の中身
- 自社で見るか、保守を頼むかの考え方
1. 公開したあとも、サイトは少しずつ古くなる
サイトは、作った時点の状態のまま、ずっと安全に動き続けるわけではありません。組み合わさっている部品が、それぞれ別々に新しくなっていくからです。
WordPressで作ったサイトは、次の4つが組み合わさって動いています。古いものから順に、セキュリティの修正が出なくなっていきます。
- WordPress本体
- テーマ(見た目を決める部品)
- プラグイン(機能を足す部品)
- PHP(サーバーに入っている、サイトを動かすプログラミング言語)
たとえば2026年10月21日には、PHPの重大な脆弱性(セキュリティ上の弱点)を直した修正版が出ました。悪用されると、サーバーの上で勝手にプログラムを動かされるおそれがあります。
この問題はWordPressやプラグインを更新しても防げず、PHPそのものを新しくする必要があります。PHP 8.1以前には、公式の修正版も出ていません。くわしくはPHPのバージョンを上げると、なぜサイトが壊れるのかで説明しています。
車にたとえると、保守は定期点検のようなものです。弊社の保守では、基本的に次の4つの作業を行っています。
| 作業 | 何をするか | 何を防ぐか |
|---|---|---|
| 自動バックアップの設定 | サイトのファイルとデータベース(記事や設定が入っている場所)を、決まった間隔で自動で保存する | 崩れたり書き換えられたりしたときに、元に戻せなくなること |
| WordPress本体・プラグインの更新 | バックアップを取り、検証用の環境で確かめてから本番に反映する | 知られている弱点が残り続けること、更新で表示が崩れること |
| セキュリティ対策 | サイトに入られにくくするための設定や見直し | 不正なログインや、古いプラグインの弱点を突かれること |
| サーバーの稼働確認 | サーバーが動いているか、サイトがきちんと表示されているかを見る | 止まっていることに気づくのが遅れること |
2. 自動バックアップで、戻れる場所を作っておく
バックアップは保守の土台です。あれば、更新で表示が崩れたときも、サイトを書き換えられてしまったときも、保存しておいた状態に戻せます。
反対に、バックアップがないと元に戻す手がかりがなく、作り直すしかなくなることもあります。取っているつもりで実は取れていなかった、ということも起こりえるため、次の点を確かめておきます。
- サーバーの自動バックアップが有効になっているか
- 何日分残るのか
- どこに保存されているか(サーバーと同じ場所だけだと、サーバーそのものの問題で一緒に失われるおそれがある)
- 戻す手順を一度確かめたことがあるか
取る間隔は、サイトがどれだけ変わるかで考えます。記事の追加やお問い合わせが毎日のようにあるサイトなら、間隔は短いほうが安心です。
3. WordPress本体とプラグインの更新は、確かめながら進める
更新には、見つかった弱点をふさぐ修正が含まれています。止めると古い弱点が残り、かといって更新で表示が崩れることもあるため、確かめながら進めます。
弊社では基本的に、次の順番で更新しています。
- 作業の前にバックアップを取る
- 検証用の環境で、表示と動作を確かめる
- 問題がないことを確かめてから、本番に反映する
更新は、ためこむほど一度に変わる量が増えます。何年分もの更新をまとめて当てると、崩れたときにどの更新が原因なのかを突き止めにくくなります。こまめに少しずつ進めておくほうが、結果として手間も小さくすみます。
サーバーのPHPとの組み合わせも見ておきます。新しいプラグインが古いPHPでは動かないこともあれば、PHPだけを上げて古いプラグインが動かなくなることもあります。
4. セキュリティ対策と稼働確認で、異変に早く気づく
セキュリティ対策で入られにくくし、稼働確認で止まっていることに早く気づけるようにします。どちらも、何かが起きる前の備えです。
セキュリティ対策
WordPressは世界中で使われているぶん、狙われやすい面があります。管理画面へのログインを何度も試される、古いプラグインの弱点を突かれる、といった攻撃は、会社の規模に関係なく起こります。
やっかいなのは、入られても見た目が変わらないことがある点です。ページの見えないところに不正なリンクやプログラムを仕込まれ、見に来た人が別のサイトへ飛ばされる、といった被害もあります。
対策の中身はサイトによって違います。たとえば、次のようなものがあります。
- ログイン画面への不正な試みを防ぐ設定
- 使っていないプラグインやテーマの整理
- 管理画面に入れる人の見直し
どれも一度やれば終わりではありません。更新や担当者の入れ替わりに合わせて見直していきます。
サーバーの稼働確認
サイトが止まっていても、社内の人は意外と気づきません。お客さまから「ホームページが見られない」と言われて、初めて気づくこともあります。
稼働確認では、サーバーが動いているか、サイトがきちんと表示されているかを見ます。サーバー側の障害なのか、サイトの中の問題なのかを切り分けて、必要な対応につなげます。
止まることがたびたび続くようなら、サーバーそのものの見直しも考えます。選ぶときの見方はレンタルサーバー選びのコツにまとめています。
あわせて、サーバーやドメインの契約の更新にも気をつけてください。支払いの期限が過ぎると、サイトもメールも止まってしまいます。担当者が替わったときに、契約の情報が引き継がれていないと起こりやすいトラブルです。
5. 自社で見るか、保守を頼むかの考え方
WordPressに慣れた担当者がいて、更新や確認に時間を割けるなら、自社で見るのもひとつの方法です。次のどれかに当てはまるなら、保守を頼むことも考えてみてください。
- 社内にWordPressに慣れた担当者がいない
- 担当者がほかの仕事と兼ねていて、更新が後回しになりがち
- トラブルが起きたときに、どこに何を頼めばいいか分からない
- サイトを作った制作会社と、連絡が取れなくなっている
弊社では、他社が作ったサイトの保守も承っています。
迷ったときは、「もし明日サイトが表示されなくなったら、誰がどうやって直すのか」を考えてみてください。すぐに答えが出ないなら、一度相談してみる価値はあると思います。
まとめ
保守は、何も起きていないときほど、ありがたみが見えにくいものです。要点を振り返ります。
- WordPress本体、テーマ、プラグイン、PHPは、それぞれ別々に古くなっていく
- 自動バックアップがあれば、何かあっても保存した状態に戻せる
- 更新は、バックアップと検証用の環境での確認をはさんで、こまめに進める
- セキュリティ対策で入られにくくし、稼働確認で止まったことに早く気づく
バックアップと更新を続けていれば、何かあったときに戻れる場所と、相談できる相手がいる状態を保てます。
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