株式会社Devote代表の高橋です。
今のサーバーでは新しいPHPが使えない、契約をひとつの会社にまとめたい、サポートの窓口が合わない。サーバーを移る理由はさまざまです。ただ、進め方を間違えると、サイトが見られなくなったり、メールが届かなくなったりすることがあります。
弊社でも、お名前.com レンタルサーバーやエックスサーバーから、さくらのレンタルサーバへの移転を担当してきました。この記事では、移転の基本的な手順と、サイトやメールを止めないための注意点をお伝えします。
この記事でわかること
- ドメイン・ネームサーバー・サーバーの関係
- サーバー移転の基本的な5つの手順
- メールとサイトを止めないための注意点
- 移転を頼む前に用意しておきたい情報
1. ドメイン・ネームサーバー・サーバーの関係
サーバー移転は、データを新しいサーバーにコピーし、ネームサーバーの案内先を書き換える作業です。この書き換えは、一瞬では行き渡りません。
まず、3つの言葉の役割を整理します。
| 言葉 | 役割 |
|---|---|
| ドメイン | example.co.jp のような、サイトやメールの住所 |
| サーバー | サイトのデータやメールを、実際に置いておく場所 |
| ネームサーバー | 「このドメインのサイトやメールは、このサーバーにあります」と案内する係 |
新しい案内がインターネット全体に広がるまでには、数時間から、長いと数日かかります。その間は、古いサーバーを見る人と、新しいサーバーを見る人が混ざります。
そのため、切り替えの前後しばらくは、両方のサーバーで同じようにサイトとメールが動くようにしておきます。
2. サーバー移転の基本的な流れ
弊社では基本的に、次の5つの手順で移転を進めます。新しいサーバーで確かめてから切り替えるのが、止めないための基本です。
| 手順 | やること | あわせて確かめること |
|---|---|---|
| 1. バックアップ | サイトのファイルとデータベース(記事や設定が入っている場所)を丸ごと保存する | メールアドレスの一覧や、メールの転送の設定も控えておく |
| 2. 新しいサーバーに構築 | ファイルとデータベースを移し、データベースの接続先などを新しいサーバーに合わせて書き換える | 新しいサーバーで使うPHPのバージョン |
| 3. 仮のURLで確認 | 仮のURL(サーバー会社が用意している確認用のアドレスなど)で、新しいサーバーのサイトを開く | 下の階層のページ、画像、お問い合わせフォームの送信、管理画面へのログイン |
| 4. ネームサーバーの切り替え | ドメインを管理している会社の管理画面で、ネームサーバーを新しいサーバーのものに書き換える | ドメインをどこで管理しているか(前もって確かめておく) |
| 5. 切り替え後の確認 | 新しい案内が行き渡ってから、もう一度サイトを確かめる | httpsでの表示、フォームから送ったメールが届くか、メールの送受信 |
2で新しいPHPにすると、古いテーマやプラグインが動かなくなることがあります。理由はPHPのバージョンを上げると、なぜサイトが壊れるのかで説明しています。
古いサーバーの解約を考えるのは、5で問題がないと分かってからです。
3. メールを止めないために気をつけること
移転で見落としやすいのがメールです。サイトは切り替えの前に仮のURLで確かめられますが、メールは切り替えを境に、届く場所そのものが移っていきます。
特に気をつけたいのは、次の点です。
| 気をつけること | 理由 |
|---|---|
| 新しいサーバーに、同じメールアドレスを前もって作る | 切り替えたあとのメールは新しいサーバーに配達される。アドレスがなければ届かない |
| 数日の間は、古いサーバーの受信箱も見る | 新しい案内が行き渡るまで、古い情報をもとに古いサーバーへ配達されるメールがある |
| MXレコード(メールの届け先を示す設定)やSPFレコード(送ったメールを迷惑メール扱いされにくくする設定)を、新しい側にも入れる | 切り替えると、新しいネームサーバー側の設定が使われる。メールだけ別のサービスを使っている場合は、入れておかないとメールが届かなくなる |
| 過去のメールを移すかどうか決める | サーバーに残っているメールを新しいサーバーでも見たい場合は、メールのデータも移す必要がある |
| メールソフトの設定を見直す | パソコンやスマートフォンに設定している受信サーバーの名前などを、新しいサーバーに合わせて変える場合がある |
社員が多いほど、メールソフトの設定の変更に時間がかかります。手順の案内を用意して、切り替えの日を前もって社内に知らせておくと混乱が少なくなります。
4. サイトを止めないために気をつけること
サイトでは、作業中の更新、SSLの準備、古いサーバーの契約の期限の3つに気をつけます。
作業中は、サイトの更新を控える
バックアップを取ったあとに古いサーバーで記事を書き足すと、その記事は新しいサーバーには入りません。お知らせの更新などは、切り替えが終わるまで待つか、両方に入れるようにします。
SSLの準備を確かめておく
無料のSSL(通信を暗号化する仕組み)は、ドメインが新しいサーバーを指してから使えるようになることが多くあります。サーバーによっては、切り替えの前にSSLを用意できる仕組みもあります。
用意できない場合は、切り替え直後のしばらくの間、httpsで開いたときに警告が出ることがあります。アクセスの少ない時間帯を選んで切り替えると、影響を小さくできます。
古いサーバーの契約の期限から逆算する
期限ぎりぎりで移転を始めると、確認が終わる前に古いサーバーが止まってしまうおそれがあります。更新日から逆算して、余裕のある日程で計画しておきます。
5. 移転を頼む前に用意しておきたい情報
次の情報がそろっていると、話が早く進みます。分からないものがあっても、どこと契約しているかが分かれば、そこから一緒に調べられます。
- 今のサーバーの管理画面に入るための情報
- ドメインを管理している会社と、その管理画面に入るための情報
- WordPressの管理画面に入るための情報
- 使っているメールアドレスの一覧と、パソコン・スマートフォン・Webメールなど、それぞれの使い方
- 移る先のサーバーが決まっていれば、その名前とプラン
パスワードなどの大事な情報は、メールの本文にまとめて書かず、渡し方を相談してください。移る先がまだ決まっていない場合は、レンタルサーバー選びのコツも参考になります。
まとめ
サーバー移転は、手順そのものよりも、メールやSSL、契約の期限といった周りの準備で結果が変わります。要点を振り返ります。
- ネームサーバーの切り替えは、行き渡るまで数時間から数日かかる
- 新しいサーバーを仮のURLで確かめてから切り替える
- メールアドレスは前もって作り、しばらくは古いサーバーの受信箱も見る
- 作業中のサイトの更新を控え、SSLの準備を確かめておく
- 古いサーバーは、切り替え後の確認が終わるまで解約しない
弊社では、他社が作ったサイトも含めて、バックアップから切り替え後の確認までまとめてお請けしています。
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