「質問があればお気軽にどうぞ」
こういった場面は少なからず誰にでもあると思います。
プロジェクトの進行中、学習中、受託案件を引き受けた時、上司から仕事を依頼された時、さまざまな場面で「質問」をする瞬間に出会う場面があります。
そもそもとして質問すること自体、ネガティブな感情を抱く人が多いように思います。
結論、僕は質問をすること自体は「良い行為」であると考えてます。
ただし、質問力が無いと相手にとっては負担を与えてしまう場合もあります。
とはいえ、下記のように多くの人が抱える共通の不安もあると思います。
- 時間を奪ってしまうことになりそうだ
- いつも忙しそうな雰囲気で質問がしづらい
- 質問をすることで評価が下がったりするのかな
よくありますよね。
とはいえ、実際は本当にそうなのかどうか見極める必要性はあります。
この記事の目次
事実と解釈を切り分けること
まずは「事実」と「解釈」を切り分けて考える必要があります。
雲雨傘の理論を活用する
事実、解釈、アクションを区別する
雲というのは、「事実」をさします。実際に目で見て観測したこと。
雲が出ているということは、誰が見てもわかる客観的な事実です。
雨が降りそうだというのは、その事実から推測される「解釈」です。雲が黒いという事実から、雨になるだろう、という解釈を引き出しているのです。
最後は、傘です。雨が降り出しそうだ、という解釈から、傘をもっていくという「アクション」を起こしています。
もう一度整理すると、次のようになります。
(事実) 「空を見てみると、雲が出ている」
(解釈) 「曇っているから、雨が降りそうだ」
(アクション)「雨が降りそうだから、傘をもっていく」
ここで大切なのは、①事実②解釈③アクションの3つをきちんと区別することです。
コンサル1年目が学ぶ「雲雨傘」の論理とは何かtoyokeizai.net
この事実と解釈の認識によって発生する相互の認識のズレはよくあります。
この理論を質問に当てはめてみると、「相手が忙しそう」というのは観測された事実かもしれませんが、「質問することで迷惑をかける」というのはその人自身の解釈に過ぎません。そしてその解釈に基づき、「質問を控える・質問をしない」という行動を取るかどうかを決めているわけです。
「時間を奪う」「相手が忙しそう」と考えても、実際は相手が忙しいかどうかを見極めることは難しいです。
こうした事実と解釈のズレを認識することで、質問に対する不安を軽減できる可能性があります。
「時間を奪う」という親切心がトラブルを招く可能性がある
「時間を奪うかもしれない」という解釈や考えは一見すると相手への配慮に思えますが、それが過剰になりすぎればもちろんトラブルを引き起こす可能性もあります。
「会社の上司・部下」、仕事を「発注する側・受託する側」など、業務を遂行していく中で、質問が必要な場面はただあります。
論理と感情は切り分けること
実際の事実とは異なる可能性がある「質問者の解釈」によって、「時間を奪うかもしれない」という間違った解釈、憶測が行われているかもしれません。
例えば、プロジェクトの初期段階で質問を控えた結果、進行中に大きな疑問点が発覚し、修正や再調整が必要になるケースがあります。このような場合、最初に質問をしていれば避けられた問題が後々大きな影響を与えることも珍しくありません。
さらに、「最初に聞いてほしかった」と感じる質問は、後から発生する質問に含まれることが多いです。これにより、プロジェクトの全体的な方向性が変わったり、スケジュールが遅延したりするリスクがあります。
「時間を奪ってしまう」という親切心こそ、プロジェクト進行や業務遂行においては不要であり、時には取り返しのつかない事態へと発展することがよくあります。
「質問力」を磨き続けること
ここで大切なのは「質問力」です。
質問力を高めることで、相手にかかる負担を減らし、よりスムーズなコミュニケーションを図ることが可能です。
例えば、下記のように質問の前にできる工夫はあります。
- 結論や目的を明確にした質問になっているか
- 前提情報があらかじめ整理されている
- 事前に仮説をもった質問になっているか
- オープン・クローズクエスチョンの使い分けができているか
- 質問する前に、質問自体の「言語化」がテキスト化されている
- 「至急」「後日」など、相手の状況に合わせられることができる
さらには言葉だけでなく、表情や相づち、相手の話を引き出すようなリアクションも「質問力」の一部です。
これらを適切に使用することで、相手にかける質問の負担は減らせますし、回答される内容も具体的になるといえます。
質問は良質なコミュニケーションになり得る
とはいえ、質問は単なる「情報収集」ではありません。
例えば以下のとおり。
- 不安の解消に繋がる
- 相手の「共感」を得やすい
- 相手の思考を引き出せる
- 価値観や視点を知る手段となる
このように、相手と会話できるコミュニケーションの場を作り出すことができ、それ以上に、相手との信頼関係を築きより深いコミュニケーションのきっかけとなり、相互理解が進みやすくなります。
質問後は「お礼」を伝えること
最後は「お礼」を伝えると良いと思います。
とはいえ相手の時間をいただいてることは事実であります。
- 「最初の質問できたおかげでスムーズに進行できました」
- 「質問を通じて◯◯さんの考えがより深まりました」
- 「疑問点が解消されて前向きに取り組むことができました」
ひと段落したタイミングで良いと思います。
このようにお礼を伝えることができれば、次回の質問するハードルも下がります。
さらには、自分の言語化能力も鍛えられるので、今後はさらに質の高い質問をすることができ、より明確な回答をもらえることもできます。
上記のように、質問すること自体は問題ないと思います。
事実と解釈を切り分け、適切な方法や手段を用いることで、良質なコミュニケーションを生むことになるからです。
結局は、自分のタメになるということ
「質問」というのは、結局のところ、巡り巡って自分のためになります。
- 思考を整理する力が身につく
- 論理的思考のトレーニングになる
- コミュニケーション能力が向上する
質問することで「なぜそれが必要なのか」「どうしてこの方法を選んだのか」を明確にする力が養われたり、どこで自分がつまづいてるかを言語化することができます。
「思考を整理して、言語化する」という行為は、ビジネスをするうえで非常に大切だからです。
相手を納得させるためには「論理的思考」が必要です。
この論理的思考を鍛えるために、相手の意図を汲み取り適切な質問ができるように心がけるだけでも、十分なトレーニングになります。
とはいえ、質問自体はシンプルに面倒な行為でもあります。
ただ質問を避けることは一見ラクな選択に思えますが、それは「成長の機会を逃す」ことでもあります。ゆくゆくは質問ができない体質になってしまい、自分の首をジワジワと締めることに繋がってしまいます。
質問するというのは一見小さい行動に思えますが、ゆくゆくは自分の成長に繋がります。もし迷っているなら「とりあえず聞いてみる」の精神でいくぐらいのラフな感じをおすすめします。
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